
テレビやSNSで見かける、あの独特な言い回し。それが進次郎構文かもしれません。
Twitterで流れてくる名言や、大喜利のボケて(bokete)で使われる秀逸なネタを見て、いったい小泉進次郎構文とは何なのか、その定義が気になっている方も多いのではないでしょうか。
さらに、どれが本人の発言で、どれが創作されたネタなのか、その元ネタの背景まで知りたくなりますよね。
この記事では、そうした疑問に答えるため、有名な例文を一覧で徹底的に集めました。読めばスッキリするだけでなく、最後には自分でも試してみたくなる簡単な作り方まで、詳しく解説していきます。
- 進次郎構文の詳しい意味とその定義
- 本人が言った有名な構文の例文一覧
- 構文が生まれた元ネタと国連での発言
- ネット民の創作例文とTwitterでの流行
進次郎構文の例文と元ネタを解説

- 小泉進次郎構文とは?その意味
- 構文のネタ・元ネタは国連サミット
- 本人が語ったとされる有名な構文
- 「セクシー」発言の真意とは
- 「反省」を繰り返した伝説の構文
小泉進次郎構文とは?その意味
「小泉進次郎構文」とは、政治家の小泉進次郎氏が用いる独特な言葉や言い回しのことを指します。この構文が広く話題となっている理由は、一見すると何か重要なことを述べているように聞こえますが、よく聞くと内容が伴っていない、あるいは当たり前のことを繰り返しているだけ、という点にあります。
このような表現は、論理学的には「トートロジー(同語反復)」と呼ばれる技法に分類されます。トートロジーとは、「AはAである」というように、同じ意味の言葉を繰り返す表現方法です。例えば、「パンは食べ物だ」と言うのと同じ構造を持っています。
小泉氏の発言では、このトートロジーが巧妙に使われることがあります。同じ意味の言葉を反復したり、似たような文章を接続詞で巧みにつないだりすることで、何かを主張しているようで、実際には新しい情報がほとんど含まれていない(中身がない)表現となるのです。
このため、一連の言い回しは、その独特な響きや「ポエム」のようだとも評される抽象性から、SNSなどで大きな注目を集めました。多くの人々にとって、その構文自体が一種のエンターテイメントとして認識され、大喜利のネタとして使われるほどの人気と魅力を持つようになっています。
構文のネタ・元ネタは国連サミット
「進次郎構文」という言葉が日本中で広く知られるようになった最大のきっかけは、2019年9月に開催された国連気候行動サミットでの発言でした。当時、環境大臣に就任したばかりの小泉氏が、国際的な政治の舞台でこの発言を行ったため、非常に大きな注目を集める結果となりました。
この発言が元ネタとされる理由は、構文の特徴である「トートロジー(同語反復)」を象徴する内容だったからです。深刻化する気候変動問題について、日本の取り組みを問われた際のコメントでした。
具体的には、以下のような発言が報道されました。 「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っています。」
この言葉は、「A(今のままではいけない)と思う。だからこそAと思う」という、A=Aの構造をしています。決意を表明しているようで、その中身は同じ言葉の反復に過ぎませんでした。
この独特な言い回しが「進次郎構文」の典型例としてSNSやTwitterで急速に拡散され、「迷言」あるいは「ネタ」として定着する決定打となったのです。
本人が語ったとされる有名な構文
国連サミットでの発言以外にも、小泉進次郎氏(本人)が語ったとされる有名な構文は数多く存在します。これらの発言は、記者会見やインタビューでの回答(回答)の中で飛び出し、そのたびにSNSなどで「名言(あるいは迷言)」として大きな話題を提供してきました。
これらの構文が注目される理由は、やはりその独特な論理展開や詩的(ポエム)な表現にあります。政治家の発言としては珍しい言い回しが多いため、人々の記憶に強く残り、大喜利のネタとしても愛用されています。
データベースや報道に基づき、特に有名とされる「進次郎構文」の例文をいくつかご紹介します。
| 発言の概要 | 発言の文脈・解説 |
|---|---|
| 反省しているんです。ただ…反省している色が見えないというご指摘は、私自身の問題だと反省している。 | 会合欠席をめぐる質疑応答にて。「反省」という言葉を何度も繰り返すことで、反省の意を示そうとした構文の典型例です。 |
| 約束は守るためにありますから、約束を守るために全力を尽くします。 | 福島の除去土壌問題に関する会談にて。「約束を守る」という当然のことを繰り返す、代表的なトートロジー構文です。 |
| 毎日でも食べたいということは、毎日でも食べているということではないです。 | 国連サミットでのステーキに関する質問への回答。「毎日食べたい(願望)」と「毎日食べている(事実)」は違う、という論理を展開しました。 |
| 気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ。 | 同じく国連サミットにて。「セクシー」という単語の意外性が話題になりました。後に「説明すること自体がセクシーじゃない」とも発言しています。 |
| プラスチックの原料って石油なんですよね。意外にこれ知られてないんですけど。 | ラジオ番組にて。多くの人が知っているであろう事実を、意外な情報として提示したことで注目されました。 |
| おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が。 | 温室効果ガス削減目標「46%」の根拠を問われた際の回答。数字の決定プロセスを詩的に表現しました。 |
| リモートワークのおかげで、公務もリモートでできるものができた。 | 公務復帰時の発言。「リモートワーク」という言葉を反復して効果を説明しようとした構文です。 |
| 水と油も混ぜればドレッシングになる。 | 会見でのエピソード披露。実際にはドレッシングは「酢と油」ですが、比喩表現として引用しました。 |
| 水筒を使っていたけど、環境配慮の観点で水筒を使っていなかった。 | 新聞記事での発言。文脈が省略された結果、「使っていたが使っていなかった」という難解な表現になりました。 |
| 自分の話している言葉に「体温」と「体重」を乗せることです。 | 講演会にて。言葉の重みや熱意を「体温」「体重」という物理的な言葉で表現した、詩的な構文です。 |
これらの構文は、小泉進次郎氏の発言の「魅力」や特徴をよく表しており、今後も新しい「名言」が生まれるたびに話題となっていくと考えられます。
「セクシー」発言の真意とは
小泉進次郎氏の構文の中でも特に国際的な話題となったのが、「セクシー」という言葉を用いた発言です。この発言の真意は、日本語で一般的に使われる性的な魅力とは異なり、英語圏のニュアンスである「魅力的な」「ワクワクする」といった意味で用いられた可能性が極めて高いと考えられます。
この言葉が大きな注目を集めた理由は、日本の政治、特に気候変動という深刻な問題の文脈で「セクシー」という単語が使われたことの意外性にあります。2019年9月、環境大臣として出席した国連の気候行動サミットにおいて、この発言は飛び出しました。
発言の具体的な内容と背景
サミットでのスピーチ後、小泉氏は「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」とコメントしました。この発言は国内外のメディアで取り上げられ、日本では「ポエム構文」の真骨頂として、またその真意をめぐって大きな話題となりました。
英語圏のビジネスやテクノロジーの分野では、”sexy”という単語は「(アイデアや製品が)洗練されていて魅力的である」「(トピックが)人々の関心を強く惹きつける」といった意味合いで肯定的に使われることがあります。
小泉氏はこの英語のニュアンスをそのまま持ち込み、気候変動対策という一見地味で我慢を強いるような問題を、もっとイノベーティブで魅力的な取り組みとして発想を転換すべき、と伝えたかったのではないかと推測されます。
「説明がセクシーではない」という構文
この発言の「迷言」としての側面を決定づけたのが、その後の記者からの質問への回答です。発言の真意を問われた際、小泉氏は「それをどういう意味かと説明すること自体がセクシーじゃないよね」と返しました。
この回答は、質問の核心に具体的に答えることを避けつつ、再び「セクシー」という言葉を使ったものです。説明を避けたことで、この言葉の持つ曖昧さが強調され、中身が伴わない「ポエム」であるという印象を強める結果になりました。
このように、「セクシー」発言は、単なる言葉選びの問題だけでなく、その後の説明不足も含めて「進次郎構文」を象徴するエピソードの一つとして語り継がれています。
「反省」を繰り返した伝説の構文
小泉進次郎氏の構文の中で、トートロジー(同語反復)の特徴が最も顕著に表れた「伝説の構文」として知られているのが、「反省」という言葉をめぐる一連の発言です。これは、言葉を繰り返すことで主張の体裁を保ちながら、中身についての具体的な言及を巧みに避けるという、構文の核心を示す典型例です。
この発言が生まれた背景には、2020年2月の政治活動に関する問題がありました。当時、新型コロナウイルスの感染症対策本部会合を欠席し、地元の後援会新年会に出席していたことが批判され、国会で野党議員から厳しい指摘を受けました。
構文が生まれた質疑応答
この問題について、国民への謝罪の意があるかを問われた際、小泉氏は「反省」という言葉を何度も使用しました。その中でも特に構文として注目されたのが、以下の趣旨の発言です。
「反省をしていると申し上げましたが、反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思うが、『反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない』というご指摘は、私自身の問題だと反省をしている。」
この回答は、報道によれば一連の質疑の中で「反省」という単語を20回近く繰り返したとされる中でのものでした。
なぜ「伝説の構文」と呼ばれるのか
この発言が「伝説」と呼ばれる理由は、その完璧なまでのトートロジー構造にあります。
- 「反省している」と主張する。(A)
- しかし、「反省しているように見えない」という指摘(B)がある。
- その指摘(B)に対して、「私自身の問題だと反省している」(C)。
ここでの問題は、元の行動(会合欠席)について反省しているか(A)どうかですが、回答は「反省しているように見えないという指摘(B)」に対して「反省している(C)」という、論点のすり替え(B→C)が発生しています。
「反省の色が見えない」という指摘自体を「反省」するという、入れ子構造のような表現を用いることで、謝罪や具体的な説明責任を果たすことなく、ひたすら「反省」という言葉を反復しています。
この高度な論理展開(あるいは回避)こそが、「進次郎構文」の神髄であり、中身のないまま言葉だけが繰り返される「迷言」の代表格として、今もなお多くの人々の記憶に残っているのです。
進次郎構文の例文一覧とネットの反応

- ネットで見る進次郎構文 一覧
- 名言がTwitterで話題になる理由
- ボケて(bokete)の大喜利ネタにも
- 誰でも簡単!構文の作り方
- 「ドレッシング」発言も迷言?
ネットで見る進次郎構文 一覧
小泉進次郎氏(本人)による数々の発言が注目される一方、インターネット上ではその特徴を模倣した「ネット民による創作構文」も数多く生み出され、一覧としてまとめられています。これらは本人の言い回しを巧みに捉えた「ネタ」として、SNSなどで広く拡散され続けています。
このような創作構文が生まれる背景には、本家の構文が持つ「トートロジー(同語反復)」や「ポエム的表現」といった特徴が、非常に模倣しやすく、大喜利の「お題」として最適であることが挙げられます。日常の当たり前の出来事や風景を、あえて構文に当てはめて表現することで、独特のシュールなユーモアが生まれるのです。
ネット民による秀逸な構文例
ネット上で見られる創作構文は、時として本人が言ったかのように錯覚するほど秀逸なものが多く含まれています。その多くは、日常の誰もが知る事実を、あえて大真面目に再定義する形を取っています。
- 雪が積もるって事は、雪が降っているって事なんですよ。
- 毎日寒いですよね。寒いってことは冬だからです。
- 眠くない時って眠れないですよね。
- 明日祝日という事は、休日なんですね。
- 2月ってことは、あと1年でまた2月がくる、ということです。
- 3人家族でマスク2枚なら、1枚足りないんですよ。
- 誕生日なんですね。私も誕生日に生まれたんです。
- 年末年始。年の瀬。師走。こういう言葉を聞くたびにね、いつもこう思ってきました。もうすぐ新年だな、と。
本家と創作構文の比較
本人の構文とネット民による創作構文は、似ているようでいて、その目的や使われる文脈が異なります。以下の表でその特徴を比較します。
| 構文の種類 | 主な特徴 | 代表的な例文(キーワード) |
|---|---|---|
| 本人の構文 | ・政治的な文脈での同語反復 ・抽象的、詩的な表現 ・論点の回避や曖昧化 | 「今のままではいけない」(反復) 「反省している」(反復) 「セクシー」「体温と体重」 |
| ネット民の創作構文 | ・日常の「当たり前」を再定義 ・皮肉やユーモアが目的 ・シンプルなトートロジーが多い | 「雪が降っている」(当たり前) 「誕生日に生まれた」(同語) 「明日から三連休」(日常) |
このように、進次郎構文はもはや本人だけのものを指すのではなく、ネット上の人々によって日々新しい例文が生産される「言葉遊び」の文化として発展しています。これこそが、この構文が持つ尽きない人気の理由の一つと言えるでしょう。
名言がTwitterで話題になる理由
小泉進次郎氏の名言や構文が、特にTwitter(現X)で爆発的に拡散され、大きな話題になるのには明確な理由があります。それは、Twitterというメディアが持つ特性と、構文が内包する「ネタ」としての親和性が非常に高いためです。
この現象の背景には、いくつかの要因が複雑に組み合わさっています。第一に、構文自体が比較的短く、キャッチーであることが挙げられます。
Twitterは短いテキストで情報を伝達するプラットフォームであり、「今のままではいけない」「46という数字が浮かんできた」といったフレーズは、文字数制限の中で引用し、ツッコミを入れるのに最適でした。
さらに、これらの名言が持つ独特の「ユーモア」や「ツッコミどころの多さ」が、Twitterユーザーのコミュニケーション文化と見事に合致したのです。
ハッシュタグによる拡散と大喜利化
Twitterで話題になる大きな推進力の一つが、ハッシュタグの存在です。「#進次郎構文」や「#小泉構文」といったハッシュタグ(#)が自然発生し、多くのユーザーがこのタグを付けて自分の意見を投稿したり、新作の構文を披露する大喜利に参加したりしました。
これにより、関連する投稿が一覧化され、元々の発言を知らなかった人々にも情報が届きやすくなりました。結果として、一つの「名言」がトレンド入りし、政治に普段あまり関心がない層にまで認知が広がる現象が起きたのです。
リアルタイム性と画像・動画の役割
政治家の発言は、テレビのニュースや国会中継などでリアルタイムに報じられます。Twitterユーザーは、これらの発言を即座にテキスト化し、時には発言シーンの印象的な「画像」や切り抜き「動画」を添付して投稿します。
特に「セクシー」「反省」「46」といった発言は、その瞬間の小泉氏本人の表情や間の取り方(ま)も含めて面白さが伝わるため、画像や動画との相乗効果で拡散力が一気に高まりました。
このように、テキスト、ハッシュタグ、視覚情報(画像・動画)が一体となって「バズ」を生み出す構造が、Twitterで話題になる最大の理由です。
この結果、進次郎構文は単なる政治家の失言や迷言という枠を超え、Twitter上で多くの人々によって楽しまれ、消費される一種のネットミーム(流行)として定着しました。
ボケて(bokete)の大喜利ネタにも
進次郎構文の持つ独特のユーモアは、Twitterの世界だけに留まりません。画像で一言ボケる大喜利サイト「ボケて(bokete)」においても、非常に人気の高い「お題」および「ネタ」として確固たる地位を築いています。
ボケて(bokete)は、ユーザーが投稿した画像(お題)に対し、他のユーザーが面白い一言(ボケ)を投稿するサービスです。
このプラットフォームと進次郎構文の親和性が極めて高い理由は、構文の持つ「当たり前のことを大真面目に言う」というシュールな世界観が、画像と組み合わさることで何倍にも面白さが増幅されるからです。
ユーザーは、小泉進次郎氏本人の画像をお題にするだけでなく、全く関係のない動物や日常風景の写真に、構文風のボケを当てることで新しい笑いを生み出しています。
ボケて(bokete)での構文活用パターン
ボケて(bokete)では、主に2つの異なるパターンで進次郎構文がネタとして活用されています。
- 本人の画像をお題にするパターン
小泉氏が演説している画像や、何かを考え込んでいるような画像が「お題」として投稿されます。それに対し、ユーザーは「雪が積もるって事は、雪が降っているって事なんですよ。」といった創作構文や、本人が実際に言った「おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が。」といった構文をボケとして投稿し、そのギャップや既視感を楽しみます。 - 無関係な画像に構文を当てるパターン
こちらがボケて(bokete)における主流とも言える活用法です。例えば、犬が遠くを真剣な目で見つめている画像(お題)に対して、「明日には翌日ですね」とボケるなど、画像と構文の絶妙なミスマッチが大きな笑いを誘います。トートロジー(同語反復)は、どのようなシリアスな画像に当てはめても一定のシュールさが生まれるため、非常に使い勝手の良い万能なネタとして重宝されています。
なぜ「ボケて」で愛されるのか
進次郎構文がボケて(bokete)でこれほどまでに愛用されるのは、構文自体がすでに「ボケ」として高い完成度を持っているからです。通常のボケは、画像に対して意外な視点や言葉を提供する必要があります。
しかし進次郎構文は、「何も言っていないようで何かを言っている」という独特の不思議な空気感をまとっており、それを画像に添えるだけで一つの優れた作品として成立させてしまう力があります。
このように、進次郎構文は本人の発言という文脈を飛び越え、ネット大喜利文化における非常に優れた「素材(ネタ)」として、多くの人々に愛され、消費され続けているのです。
誰でも簡単!構文の作り方
「進次郎構文」は、その独特な響きとは裏腹に、いくつかの簡単なステップや特徴を理解することで、誰でも比較的容易に作ることが可能です。その核心は「当たり前のことを、さも重大なことのように表現する」という点にあり、このギャップがユーモアを生み出します。
なぜこれほど簡単に作れるのかと言うと、構文の基本的な構造が「トートロジー(同語反復)」や「冗長な表現」という、非常にシンプルな論理に基づいているためです。高度な語彙力や専門知識は必要ありません。
むしろ、日常のありふれた事象を対象にする方が、それらしい「ポエム」感や、中身のないシュールな面白さが際立ちます。必要なのは、物事をあえて回りくどく、抽象的に言い換える「発想」です。
ここでは、具体的な構文の作り方を3つのステップで解説します。この手順を踏めば、あなたもSNSや大喜利で使える「構文」を生み出すことができるでしょう。
ステップ1:当たり前の「事実」を選ぶ
まず、誰もが知っている、議論の余地のない「事実」を選びます。これは日常のどんな些細なことでも構いません。情報量がゼロに近いものほど、構文にした際のインパクトが強くなります。
- (例)明日は今日と違う日だ
- (例)食事をするとお腹がふくれる
- (例)夜は暗くなる
ステップ2:「だからこそ」等の接続詞を加える
次に、ステップ1で選んだ事実に、「だからこそ」「つまり」「~ということは」「~なんです」といった、一見すると論理的なつながりを示したり、何かを強調したりする接続詞や語尾を加えます。これが、構文の「ポエム」感を高める重要な要素となります。
- (例)明日は今日と違う日だ。だからこそ、
- (例)食事をするとお腹がふくれる。つまり、
- (例)夜は暗くなる。ということは、
ステップ3:事実を繰り返すか、抽象的に言い換える
最後に、ステップ1の事実を、言葉を少しだけ変えて反復(同語反復)するか、抽象的な表現で言い換えます。ここで、中身のないことを堂々と言い切り、新しい発見であるかのように見せかけることが最大のポイントです。
- (例1:反復) 「明日は今日と違う日だ。だからこそ、明日になれば、今日は終わっているということなんです。」
- (例2:言い換え) 「食事をするとお腹がふくれる。つまり、空腹ではなくなるということなんですよ。」
- (例3:抽象化) 「夜は暗くなる。ということは、太陽の光が届かなくなる。それが夜なんです。」
このように、進次郎構文の作り方は非常にシンプルです。日常の当たり前の出来事に注目し、それをあえて大げさな言葉で反復・装飾するだけで、誰でも簡単にそれらしい「名言(迷言)」を生み出すことができます。この手軽さが、SNSや大喜利の「ネタ」として人気を集める最大の理由と言えるでしょう。
「ドレッシング」発言も迷言?
小泉進次郎氏の「水と油も混ぜればドレッシングになる」という発言も、その内容の事実誤認(あるいは比喩の不正確さ)から、「迷言」の一つとして広く知られています。ただし、この発言は他の多くの構文とは異なり、本人がゼロから生み出したものではなく、他者からの受け売りの言葉を引用したものでした。
この発言が「迷言」として注目された理由は、主に二つあります。
一つ目は、多くの人が知る基本的な事実として、ドレッシングの主原料は「水と油」ではなく一般的に「酢と油」であるという点です。
二つ目は、本来「水と油」という言葉は「決して混じり合わないもの」の比喩として使われるため、それを「混ぜればドレッシング(=混じり合う)」と表現したことが、論理的な矛盾や知識不足として指摘されたためです。
この発言は、2021年6月の記者会見で飛び出しました。小泉氏が地元の横須賀市で、ある労働組合の幹部から掛けられた言葉としてエピソードを披露したものです。
発言の背景と文脈
小泉氏が引用したとされる言葉は、以下の趣旨でした。 「小泉さんとは国政では水と油かもしれないが、水と油も混ぜればドレッシングになる」
本来は「敵対する関係(水と油)でも、工夫次第で協力できる(ドレッシング)」という前向きな比喩として語られたものと推測されます。しかし、前述の通り「水」と「酢」の混同という根本的な間違いが含まれていました。
なぜ「迷言」として拡散したか
この発言が単なる言い間違いや他者の引用で終わらず、小泉氏自身の「迷言」としてSNSなどで拡散したのは、これまでに積み重ねられてきた「進次郎構文」のイメージがあったからです。
- 事実誤認の指摘
「プラスチックの原料は石油(意外と知られてない)」という発言と同様に、基本的な知識に関する指摘が相次ぎました。 - 構文との親和性
「セクシー」や「体温と体重」といった独特の比喩表現(ポエム)と並び、「ドレッシング」もまた、政治の場で用いるにはユニークすぎる比喩として人々の記憶に残りました。 - ネタとしての消費
Twitterなどでは、「それはドレッシングではなく乳化(エマルション)だ」「酢が足りない」といった化学的なツッコミや、「水と油を混ぜても結局は分離する」といった冷静な指摘が相次ぎ、大喜利のネタとして消費されました。
結果として、この「ドレッシング」発言は、小泉氏本人の発案ではなかったものの、氏がそれを違和感なく引用してしまった点も含めて、「進次郎構文」の系譜に連なる代表的な「迷言」の一つとして数えられることになりました。
進次郎構文という言葉と例文の魅力を総括
進次郎構文とは、小泉進次郎氏のトートロジーを用いた独特な言い回しです。「今のままではいけない」や「セクシー」といった有名な例文は、元ネタと共にSNSや大喜利で拡散。本人の発言以外にネット創作も人気を集めています。
記事のポイントをまとめます。
- 進次郎構文はトートロジー(同語反復)を用いた独特な言い回し
- 一見深そうだが、実は中身がないのが特徴
- 元ネタは2019年の国連サミットでの発言
- 「今のままではいけない」というA=A構造が典型例
- 本人が語った構文には「反省」「セクシー」など多数
- 「セクシー」の真意は「性的」ではなく「魅力的」という意味
- 「説明自体がセクシーじゃない」との回答が混乱を招いた
- 「反省」構文は論点をずらしたことで有名になった
- ネット民による「創作構文」も「ネタ」として多く生まれた
- 「雪が降っている」など日常の当たり前を再定義する例が多い
- Twitterの短文文化やハッシュタグと親和性が高かった
- 切り抜き画像や動画と共にリアルタイムで拡散
- 大喜利サイト「ボケて」でも、お題やボケとして盛んに活用
- 作り方は「当たり前の事実」を「だからこそ」などで反復する
- 「ドレッシング」発言は「水と油」の事実誤認から迷言化

